義務の倫理学
倫理学は大きくふたつに区分できます。その一つの規範倫理学に義務の倫理学は分類されます。
義務倫理学は、一定の行為を行うことはそれが招く結果を問わず道徳的義務であるとみなす倫理説です。
道徳法則への尊敬を唯一の動機として行為することを教えたカントに代表されます。
カントは何を言ったのか、
道徳法則は「なんじの意志の格律がつねに同時に普遍的立法の原理として妥当するように行為せよ」という定言命法として定式化されるとしました。
「〜ならば、〜せよ」と命じる命法である仮言命法とは異なり、
無条件に「〜せよ」と命じる絶対的命法です。
なぜ義務論に従うべきであるかは、「我々がそれを理想とするから」と答えています。
理想と現実の乖離がみられます。
特の倫理学と義務の倫理学を対比させることにより、「なぜコールバーグ理論にもとづくモラルジレンマ授業が、日本の道徳授業では、望ましくないと言われてしまうのか?」がみえてきます。
「くさい」、今後の道徳教育において重要なキーワードになってくると思います。
ここは多くの方が見逃しているところだと思います。
私がこの「くさい」の概念を教えていただいたときはここまで観ることが出来ていませんでした。
「実践知」に勝るものはありません。事実ですから。